ドイツのPOST Tube Siemens Ba 最初期型

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ドイツのPOST Tube Siemens Ba 最初期型

このBaは、私のコレクションしているSiemens 製の中で最も古いもので、おそらく同社のBa
としては最初期型と思われるものです。
ガラスステム内の各引き出し線が白金であることから、1920年代前半の製造と思われます。
非常に手の込んだ作りのBaです。

前回ご紹介しましたBaはフランスSIF社からのOEM品でしたが、こちらはSiemens オリジナルで
ゲッターのないものです。
Siemens のオリジナルBOXに入っていますが、年代的に合っているかどうかは分かりません。
管壁には「Siemens & Halske」のロゴとBaとだけプリントされ、Siemens の名はプリントされて
いません。

このBa の一番の特徴は、まだ、高圧によるガラスの電解化を防ぐ物質が発見される前の製造である
ため、高圧がかかるプレートを支持する金属とガラスが接触する部分に特殊な細工がしてある点です。
ガラスステムのプレート支持棒には糸(おそらくコットン)を巻きつけた上に金属管を被せています。
また、ガラスピラーと各パーツの支持金具の接続部分にも同じ糸が巻きつけてあります。

90年近く前に製造された真空管ですが、実際に測定してみますと、まだ8割から9割程度のエミッション
があり、まだ良い状態を保っています。 当時のドイツの技術の優秀さが伺われます。