AD1 SEアンプの製作。序章

以前から製作したいと思いつつなかなか製作する機会がもてなかった、ヨーロッパ(大陸側)を代表する
出力管AD1を使用したシングルアンプ。

注:AD1については、書庫「ドイツのRadio Tube」で紹介していますので、そちらを参照下さい。


昨年は、Klangfilm KL42006 フィールドコイル型フルレンジスピーカーを使用した平面バッフルシステム
を製作し、できれば、同じドイツのそれも同じ時代に活躍した真空管で、このスピーカーをドライブして
みたいという思いが湧いてきます。

KL42006 は、ここ数ヶ月間エージングをしながら聴いていますが、本当に精密無比な音で、入力された
信号をそのまま正確に再現することを第一に作られたことがひしひしと伝わってきます。艶やかにとか
品良く、美しく、そういう表現は全く当てはまりません。ただただ正確に伝えること、それが全てです。

そんなスピーカをドライブしていたのが、RE604であり、AD1であり、RS241、・・・達です。
何も、当時の音を再現するなどということを考えている訳ではありませんが、当時の技術者がどんなこと
を考え、目指していたかを、感じ取れれば何か新しい発見があるかもしれません。


AD1 は、これまで試作的に製作したアンプで一、二度、音は聴いていますが、本格的に追い込んだことは
まだありません。増幅段を一段にするか、それとも二段にするか。一段ならば、代表的なREN904による回
路がありますが、それでは面白くありません。二段にして強力にAD1をドライブするならば、球の選定や、
部品レイアウトまでも新しく考えなくてはなりません。

いずれにしても、今年一年をかけて製作するアンプになりそうです。
気長にお付き合い下さい。