SIEMENS 14シリーズを再度考える その3

秋の夜長、ゆったり音楽を聴くには良い季節になりました。
ここ数日は、SIEMENS 14gで音楽を満喫しています。
 

イメージ 1という訳で、まず最初に聴いているのは、14gシリーズ中では最もポピュラーなVACのマグネットを搭載したタイプ。一般的に、このタイプのユニットが最後まで製造されていたとされていますので、14gとしては完成形ということになります。まずは完成形の音を確認して、順々に時代を遡って行く予定です。
 

そこで気になるのがユニットの製造年度ですが、14gには、コーン紙の裏側に製造年が印刷されていますので、そちらで確認することが出来ます。

手持ちの二つのVACマグネット搭載の14gを確認したところ、かなり文字が擦れて読み取り辛くなっていますが、1952と1953と読み取れました。
1952-3年というと、今から60年前に製造されたことに。ヨーロッパというところは物を大切にする風習が変わらずあるんですね。改めて、良く残されていたものだと感心します。
 
試聴は、先日制作したスタンドを取り付けたタモ集成材の小型平面バッフルに取り付けて行います。バッフル面のサイズは幅500mm、高さ600mmに90mmの補助バッフルを足して690mmの高さになっています。またバッフルの両サイドには90mm幅のサイドバッフルが取り付けてあります。
 
 
ここ数日間VAC搭載14gを聴いての感想ですが、本当にバランスの良いユニットだと改めて感心します。今回使用した小型の平面バッフルと相性が良いもかもしれませんが、過不足のない高域、そして、低域にしても、私が聴く限り、不足感は感じません。(大型のユニットを箱に入れて聴かれている方が聴くと違和感を感じると思いますが)無理なく、大変良くバランスがとられた音です。
 
私は、クラシックの音源を中心に聴きましたが、毎日同じソースを聴いても楽しい。クラシック音楽を楽しく聴かせてくれるというのは、稀な事です。そして、クラシックだけでなく、ジャズを聴いても予想外に楽しい。もうちょっと荒れてくれればとも思いますが、ビル・エバンスなどはしっとり味わい深いです。
 
この音を聴いていると、このままで、他の14gは聴かなくてもいいかと思わされてしまいますが、次回は、DEWマグネット搭載の14gの予定です。何か変化はあるのかな?
 
(このようなヴィンテージユニットで、トリッキーな音楽やハードロック系をバンバン鳴らす方はいないと思いますので、今回は試聴していません。元々、その手のCDはほとんど持っていないので、聴けと言われても無理だったりしますが)