フルレンジスピーカーのための真空管アンプの設計と製作、その7

今日は、残留ノイズの改善についてです。
真空管アンプの場合ハムノイズの流入するポイントは通常以下のものが上げられます。

1.B電源からの流入
2. フィラメントからの流入
3.電源トランスの漏れ磁束による流入

それでは一つ一つ確認して行きます。
まず、B電源からの流入を考えた場合、リップルフィルター(チョークトランス、コンデンサー、
抵抗)の数値などを変更することで、残留波形に何かの変化があります。
実際に、チョークトランス、コンデンサーの容量を増やす方向へ改良してみましたが
残留ノイズの波形、量ともほとんど変化がありません。
どうやら、電源からの流入ではなさそうです。

次にフィラメントからの流入ですが、本機は全て低電圧電源によってリップルを減らすように
していますので、フィラメントからの流入は考えにくいのですが、チャンネル間で残留ノイズ
に差がありますので、もしかしたら低電圧電源に不備があるかもしれません。
そこで、全ての低電圧電源の出力をオシロスコープで確認してみました。
しかし、リップルはありません。やはり、フィラメントからの流入ではなさそうです。

次に、電源トランスの漏れ磁束ですが、こちらは、大きなケースを使用して電源トランスと
増幅回路との距離を取るように設計しています。その上、増幅回路に使用しているPTT2sは磁気
シールドのコーティングを持つ真空管ですので、漏れ磁束による流入は考えにくいです。
それでも確認が必要ですので、大掛かりな作業ですが電源トランスをはずしてシャーシーの
外に出し、電源トランスと増幅回路との距離をさらに離してみました。
結果は、変化無しです。
一日がかりでトランスを外に出したのですが、全て徒労となりました。


さて、困りました。原因がつかめません。
一つ気になるのはチャンネル間で残留ノイズに差があると言う点です。
これは、左右のチャンネル間で異なる要因があるということです。
ここら辺がなにか糸口になりそうです。