ドイツのPOST Tube Siemens Ca 初期型その2

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ドイツのPOST Tube Siemens Ca 初期型その2

本日ご紹介するSiemens のPOST Tube も前回と同じくCa ですが、こちらはゲッターがあるタイプです。

前回のCa と同じく、ナス型のトップ排気で、ガラスステム内の各引き出し線にまだ白金が使用されてい
ますので、こちらも1920年代後期頃の製造と思われます。
両者の違いは、ゲッターの有無と、ガラスピラーに取り付けられたパーツ支持金具の接続部分のガラス玉
のサイズです。前回のCa は大豆サイズに強化されていましたが、こちらは小さいままです。

これは、ちょっと不思議なことで、普通、技術的には新しいゲッターがあるほうが、後の製造年になるは
ずですがガラスピラーのガラス玉は旧来の小さいままです。反対にゲッターの無い古い形式のもののガラ
ス球が後期の補強された大型のものになっているというのは、何故なんでしょう。

おそらく両者は、製造された年代はほぼ同時期だが製造した工場が違っているためと思われます。
そして、前回のゲッターの無いCaはドイツのSiemens の工場で、ゲッターある今回のCa は、フランスの
SIFの工場で製造されたと思われます。そう思うと、今回のゲッターのあるCa は作り込みが、どこか甘い
ようにも見えてきます。
内部構造はそっくりですが、何処と無く雰囲気が違っている両者です。


残念ながら、このサンプルはあまり状態がよくなくフィラメントの片側が断線しています。そのため、
7割程度のエミッションしか出ません。
出来ることなら、両者の音に違いなどもいつか確認してみたいものです。