第二章 フルレンジスピーカーのための真空管アンプの設計と製作、その7

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

暫くの間、直熱管Baを使用したラインアンプの記事が続いていましたが、その間、カスケード専用MT管
ECC189を使用したカスケード型ラインアンプの方も、幾つか改良を加えていましたので、お知らせいた
します。

一つは、当初からの課題であったボリュームです。
ご存知のように、アルプスのデテント・ボリュームが製造中止となり、手ごろで良いボリュームが入手で
きなくなっていました。このECC189ラインアンプも、当初、中古のデテント・ボリュームを探して使用し
ておりましたが、今回、実験も含めてアルプスの最高級RK50型ボリュームを購入することにしました。
結果がよくなければ数万円が飛んでしまいますので、まさに清水の舞台から・・・の心境でしたが、結果
は、デテントボリュームの延長上にある大変良好なボリュームで安心しました。
金額は、かなり高いので一般的ではありませんが、信頼性は高いように思います。

もう一つは、特注しておりましたアンプを支えるスティール製の足兼支柱が完成してきましたので、取り
付けをしました。この支柱により音に雑味がなくなり、音質的に一段とクオリティーが上がりました。


以上の改良で、このECC189を使用したカスケード型ラインアンプはほぼ完成となりました。
回路的には、Baを使用したものよりシンプルですが、高価なボリュームやヴィンテージ部品を使用したこ
とで、かなり高級仕様となりました。
音質は、カスコード回路の特徴もよく出ていますし、直熱管Baを使用したものより温かみのある音になっ
ています。なにより全体に音が厚く安定しています。オーディオ的に言えば高級感のある音です。