フルレンジスピーカーのための真空管アンプの設計と製作、その43

引き続き出力バッファー段の検討です。

先日お話しましたように、ボリュームが最後尾に移ったことにより、カスコード回路で増幅された
大振幅の信号が直接バッファー回路に入ってしまいますので、バッファー回路の最大入力電圧を
再度確認しておく必要がでてきました。

実際に現状のバッファー回路の最大入力電圧を確認してみましたところ、だいたい30Vを超えた
あたりからクリップが始まります。
そして、カスコード回路の最大出力電圧の方は、波形がクリップをはじめる前に、Gmの非直線性
のために出力波形が徐々に上下非対象にひずみが生じてきますので、どの地点を最大出力とするか
難しいところです。
もし規定するなら、入力電圧が2.5V程度で出力波形にひずみが確認できますので、このときを
最大出力とすれば、最大出力電圧は約25Vということになります。
バッファー回路は30V以下の信号ならば入力してもクリップしませんので、このままの状態でも問題
は無いことになります。

しかし、可能ならばもう少し余裕があった方がいいと思われますので、少し設定値を変更して最大
入力電圧について検討してみることにしました。
もしかしたら、音の点でも新に道が開けるかもしれません。
まずは、ロードラインをもう少し寝かせて電源電圧を上げるところから始めたいと思っています。