フルレンジスピーカーのための真空管アンプの設計と製作、その48

カップリングコンデンサーの検討も今日が最後となります。

今日は、主にドイツのコンデンサーをテストして見ました。
まず最初は、ELECTRICA(メーカー名?)の0.033uF/1500Vです。
このコンデンサーの詳細は不明ですが、ドイツ製らしいバランスの良い音を聞かせてくれます。ただ、
容量が小さいせいか、ちょっと神経質なところがあり音楽を聴いていると疲れます。エージングで少し
は神経質なところが取れるかと思いましたが、1日程度では、あまり変化がありませんでした。

次は、メイカー不明のMKC型フィルムコンデンサーです。
容量は、0.47uF/630Vです。
このコンデンサーは、外見から受けるイメージとは異なり大変良い音を聞かせてくれます。先日テスト
しました岡谷2CⅡによく似た傾向なのですが、岡谷で不満だった音の立上がりの鈍さは無く、切れのある
音です。今のところ一番かもしれません。
ドイツの製品は、スピーカーもそうですが、外見だけで判断すると損をすることになります。

次は、Siemensの缶タイプのフィルムコンデンサーで、MP型を継承するものです。
容量は、0.5uF/250Vです。
このコンデンサーは、スケールが大きく非常にゆとりのある音を聞かせてくれます。
大変雰囲気は良いのですが、その分高域は少し抜けが悪くなります。他のコンデンサーとミックスしたら
良い結果が出るかもしれません。
それにしても、雰囲気だけは最高です。

また、同じMP型を継承する旧東ドイツRFTの缶タイプもテストしようとしたのですが、残念ながら、一個
が絶縁破壊を起こしていましたので、今回はテストすることができませんでした。


長々とカップリングコンデンサーの検討をしてきましたが、今日でひとまず終わりです。 
コンデンサーを替えてはエージングをして音を確認する、と言う作業もなかなか大変で疲れますし、少し
飽きました。一通りコンデンサーをテストして分かったのですが、確かにコンデンサーにより音は変化
するのですが、よほどひどいコンデンサーでない限り、基本的な部分は変わらないということです。
基本設計が如何に大切であるか再認識したテストでした。