信号用線材の検討

今回のプリアンプでは、信号用線材として新たにドイツのヴィンテージワイヤーを一部に採用しています。
このドイツ製ワイヤーを評価する為に、2系統ある入力の一方にドイツワイヤー、もう一方にWEのワイヤー
を入れ、入力の切り替えで比較ができるようにしてあります。

因みに、比較用に入れたWEワイヤーは、以前、幾つかのヴィンテージワイヤーを比較したときに、信号ラ
インに使用して結果がよかったもので、前回製作の出力バッファー付きカスコード型プリアンプでも信号
ラインに使用しています。


それでは、早速ワイヤーの比較確認ですが、今まではずっとドイツ製ワイヤー側の入力で試聴していまし
たので、入力をWEワイヤー側に切り替えて聴いてみます。

WEワイヤーは、充実した中低域を中真に独特の音場感を持って音楽を表現してくれていましたが、ドイツ
製ワイヤーと比べると、明らかに帯域が狭くなって聴こえます。特に高域の解像度が落ちることが、はっ
きりと分かります。ただ、音楽を綺麗にぼかしてくれますので、クラシックの声楽などでは、独特の空間
表現でホール感をよく再現してくれます。

ドイツワイヤーは、とにかく高解像度で気持ちよく再生してくれます。WEワイヤーに比べれば中域が細い
のですが帯域バランスが良いので不足感はありません。また癖も少ないので、どんな音楽にも無難に対応
します。WEワイヤーが単線に対して、こちらは撚り線になりますが、良くできたワイヤーです。
ラジオの内部配線などに使われていた線材ということでしたが、掘り出し物かもしれません。