Siemens 6Ruf lsp 24p のリペアー

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先日ご紹介しました14gの磁気回路に、フィールドコイルを搭載したユニットが6Ruf lsp 24pと呼ばれる
ユニットです。

最近は、市場でもなかなか見る機会がなくなりましたが、ちょうど手元に壊れた24pが1本ありますので、
今回、これを修理してみようと思います。上手く行けば、マグネットタイプと比較が出来ます。

このユニットを入手したのは五年ほど前だったと思いますが、コーン紙は修理の跡があるが立派に動作す
ると言うことで、ドイツより購入したものです。ですが、届いた時の確認で、フィールドコイルが断線し
ており未動作品でしたので「輸送の途中で半田付け部分にでも接触不良が出来たのだろ。もう一本入手し
たときにでも修理るか」と、そのままお蔵入りになっていたものです。

久しぶりに出してきましたが、コーン紙の修理跡も大きくお世辞にも状態は良いとは言えませんが、修理
を始めることにしました。


まずは、断線したフィールドコイルを修理する為に磁気回路を取り外すところからですが、固定ネジが
ちょうどフレームの内側にあり普通のドライバーでは外せません。
(二枚目の写真、手前のネジはダンパー固定用、その奥が磁気回路固定用のネジです)
その上、ネジロックセメントでしっかり固められている為、少々の力ではびくともしません。

さてどうしたものでしょうか?
これまで、スピーカーの修理は何十台と行ってきましたが、コーン紙など部品の換えのないドイツヴィン
テージ物の修理には、取り扱いに注意が必要です。無理に行うわけにも行きません。

まずは、ネジロックセメントにアセトンを少量落として変化を見ることにしました。

1分ほど待ちますと、セメントが柔らかくなってきました。どうやら、アセトンで綺麗に落とせそうです。


狭いスペースで作業は難航しましたが、何とか固定用ネジ4本のネジロックを綺麗に落とすことが出来ました。今度は、慎重にネジを外して行きます。ただ、色々なドライバーを試しましたが使用できるものは
見つかりません。何かないものかと道具箱を探していましたら、部品を固定するL型金具が目に止まりました。もしかしたら、上手く使えるかも?

早速、ネジに当ててみましたら、マイナスネジのピッチに計ったようにピッタリはまります。ラッキー!
L型金具をネジにあて、軽く小さなハンマーで小突いてやると、見事、ネジが外れました。


磁気回路を外して、びっくり。フレームめちゃくちゃ軽いです。まるで段ボールか何かで出来ているかの
ような軽さです。どうやら、マグネシューム合金製と言うのは本当のようです。


こういう分解したところを見る機会はなかなか少ないと思いますので、ボイスコイルの様子なども撮影してみました。


さて、4本のネジを外すだけでかなりの時間を要してしまいましたので、今日の作業は、とりあえずここ
までです。