ワイドアングルを実験してみる

イメージ 1

イメージ 2

ちょうど一年前でしたか、30mフルレンジスピーカー2本を使用して、ダブル仕様の平面バッフルを
試したことがあります。その時の実験では、私が思うような結果が出ず、実験を打ち切りましたが
今回、また少し違ったアングルから実験をしてみることにしました。

そもそもユニットをダブル仕様にた実験をした理由は、振動面積を二倍にすることで低域のリアリ
ティーを増すことができるか。フルレンジ単一使用時の良さを残したまま、音にさらなるゆとりを
持たせることは出来るか。ユニットを複数にすることで、ダイナミックレンジを広げることはでき
るか。などなどです。

その時の結果としては、ダブル仕様にした場合の決定的な良さが何もなかったとういものでした。

ダブル仕様にしたときの大きな問題点としては、フルレンジ1本使用の時とはことなり反応が遅く
なり、フルレンジの良さである素直さもなくなる点です。
原因は、2本のユニットが干渉している為である事は分かっていますが、問題は、どの点が一番影
響しているかです。1枚のバッフルに2本のユニットがあることで、バッフルを伝った信号が干渉
しあっている為か? 又は、2本のユニットをシリーズに接続している為に、片側のユニットから
見るとボイスコイルがL成分として働く為か、又は、ユニットから出た音が空間で干渉しているのか。

そこで、Siemens の有名なワイドアングルにならって、実験のバッフルを製作してみました。
製作の意図は、1.バッフルをユニット毎に分割することで、バッフル上での干渉をなくす。2.角度
を付けてユニットを配置することで、放射軸をずらし空間での干渉を低減します。
この状態でも、前回と同じ様な結果になれば、問題はユニットのL成分ということになります。


さてモノラル状態ですが、この状態で音楽を再生してみますと、結果は、1枚のバッフルに2本の
フルレンジユニットを並べたときと、余り変わりません。
確かに、角度を付けてユニットを配置することで、音場は広がりますが、やはり私が望むような結果
にはなりませんでした。

どうやら、ボイスコイルのL成分がもう一方のユニットに作用することが、一番の原因のようです。
次回は、このことを確かめる為の実験を考えたいと思います。