第二章 フルレンジスピーカーのための真空管アンプの設計と製作、番外編

暫くぶりのECC189を使用したカスケード型ラインアンプです。このラインアンプは、完成後、友人宅で活躍していましたが、この度、正式に友人宅へ嫁ぐことになりました。
 
友人宅のシステムは、励磁型15“ウーハーをベースにした大型ホーンシステムに、ソースはSACDMacによるPCAudioです。今回、嫁ぐにあたって、少し仕様を変更して欲しいという要望がありましたので、ここ数日、仕様変更に追われていました。
 
 
 
まず、仕様変更の第一は、ボリュームの変更です。
完成した時点で使用していたボリュームは、一個数万円もするAlpsの高級ボリュームでしたが、そんなに高級なボリュームは要らないという事でしたので、もう少し安いボリュームへ変更することにしました。
 
ただ問題は、変更するボリュームです。デテントボリュームが生産中止になって以来、手ごろな価格で良いボリュームがないんです。暫くの間、使えそうなボリュームを探していたんですが、今回、ネット上でNobleのオーディオ用ボリュームを見つけましたので、早速、購入してみました。こちらは、送料を含めても数千円、結果が楽しみです。
 
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左がAlpsの高級ボリューム、右が今回購入したNobleのボリューム。
 
ボリュームを変更するに当たって、もう一つの問題は、取付金具の変更です。NobleAlpsとでは取り付け穴のサイズが全く違いますので、一から作り直さないといけません。
 
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作り直した、ボリュームとバランスボリュームの取付金具です。幸い、暖かい日が続きましたので、外で作業が捗りました。
 
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仕様変更が終わったボリューム周りです。ちょっと小ぶりなNobleボリューム。
 
 
もう一つの仕様変更は、入力端子の変更です。
SACDの出力にはバランス出力があるので、入力1系統をキャノン端子に変更して欲しいというものです。キャノン端子に変更するだけなら簡単と思ったのですが、これがとんでもなく大変。このプリアンプのシャシー1.2mmのステンレス製(それも一番頑丈なステンレス)。キャノン端子はRCA端子に比べて2mmほど取り付け穴が大きくなり、取り付けるには、この1.2mmのステンレスを削らなければなりません。電動ドリルにステンレス用の砥石をつけて、作業を始めたのですが、一つの穴を広げるのに丸一日。もうウンザリです。
 
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取り付けが終わったキャノン端子です。結局、仕上げを含めて3日も費やしてしまいました。
 
やっとの思いで、仕様変更を終えたラインアンプですが、早速、音出しをして最終確認です。ちょっとNobelのボリュームは小ぶりなので心配したのですが、これがどうしてなかなかの鳴りっぷり。Alpsは、さすがに上品で高級な質感で、文句はないのですが、Nobelの鳴りっぷりの良さも、これはこれでいいと思います。
 
これで安心して、友人へ渡すことができます。