フルレンジスピーカーのための真空管アンプの設計と製作、その36

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セルフバイアスのBa-EC88 ラインアンプに出力バッファー段を追加する予定でしたが、あまりにも
心地よい音なので、もう少しの間、この状態でいろいろな音楽を聴きたくなりました。

現在のシステムは、スピーカーはフルレンジスピーカーのコーナーで紹介しましたLEIPZIG L2152P
30cmフルレンジスピーカーをプレーンバッフルに搭載したもの、パワーアンプはNL-50モノラル(300B
モノラルの出力管を300BからNL50へ変更したもの)、ラインアンプが今回のセルバイアスのBa-EC88
カスコード型です。


いろいろなジャンルのCDを聴いているのですが、いろいろな音楽を聴けば聴くほど、感心してしまいます。 
一度、電気信号に変換されCDという箱に閉じ込められた音楽を、どこまでリアルに空間に開放・再現
できるかが音楽再生の最大のテーマだと思っているのですが、このシステムで再構築した音楽は、生の
ライブとは違った圧倒的なリアリーティーを持っています。手を伸ばせば掴むことができるような音の
存在感。立ち上がりが早く、そして音消えの自然さ、どこまでも音楽の中に引き込まれる感覚です。

これまで、フルレンジスピーカーのための真空管アンプという目標で回路を設計し組立てと実験を繰り
返してきました。これは優秀なドイツの古いフルレンジスピーカーに出会い、これを最大限生かせる
真空管アンプを製作したいという思いから始まったことですが、この段階でラインアンプについては
第一目標を達成した感があります。
正直なところ、フルレンジの良さは十分解っていましたが、このレベルまで到達できるとは想像して
おりませんでした。

素晴らしい音楽を聴いて、十分な鋭気を養うことができましたので、明日からは、さらなる高みを
目指して、改造に取り掛かることにします。