第二章 フルレンジスピーカーのための真空管アンプの設計と製作-補修編-

友人宅へ嫁いでいったECC189カスコード型プリアンプですが、補修の為、里帰りしてきました。問題点は、ボリュームシャフトが空回りして、ボリューム調整が出来なくなった。またバランスボリュームにも接点不良が出ているようだ。ということでした。

 
まず、一つ目の問題点のボリュームですが、元々このプリアンプには、Alpsの真鍮彫り出しの高級型ボリュームを使用していたのですが、嫁ぐに、友人の依頼でNobleのボリュームに変更した経緯があります

実際に見てみると、延長シャフトとボリュームシャフトを繋いでいる部分で空回りが起きています。確か、このNobuleのボリュームシャフトが短く、延長シャフトとの取り付けはギリギリで、のりしろがなかった記憶があります。それでも、交換時は問題がなかったのですが、使用するうちに留めネジがずれてしまったようです。

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さてどうしたものか?ネジを留め直せば済む問題でもありますが、ボリュームは常時使用する部分ですし、抜本的な対策を施さないとこの先、同じ問題で友人を悩ませることになります。元々、多少なりとも無理があった部分ですので、この際、延長シャフトごと作り直すことにしま

 

まずは、一番の問題点、Nobleボリュームの短いシャフトを何とかしなければいけません。そこで、シャフトを繋いで長くすることにしました。

 
まずベークライトで、継足し部分を削り出します。
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ボリュームシャフトに、出来上がった継足し部分を繋いだところです。
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次は、バランスボリュームの接触不良ですが、こちらは556を吹きつけ、数回ぐるぐる回してやり、治まりました。ただちょっと延長シャフトがセンターからずれて、つまみを回すとバランスボリューム自体に負荷がかかっているようでしたので、取付け部分の再調整をしました。

また、延長シャフトですが、同じ材質(ココボロ)で制作しようと考えましたが、材料が手に入りませんでしたので、今回は樹脂製にしました。樹脂製ならある程度柔軟性もあるので、ボリューム自体に負荷を掛けることも少ないでしょう。


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無事、補修が終わりましたが、後は友人が気に入ってくれるかどうかです。