第二章 フルレンジスピーカーのための真空管アンプの設計と製作-補修編-
友人宅へ嫁いでいったECC189カスコード型プリアンプですが、補修の為、里帰りしてきました。問題点は、ボリュームシャフトが空回りして、ボリューム調整が出来なくなった。またバランスボリュームにも接点不良が出ているようだ。ということでした。
まず、一つ目の問題点のボリュームですが、元々このプリアンプには、Alpsの真鍮彫り出しの高級型ボリュームを使用していたのですが、嫁ぐ際に、友人の依頼でNobleのボリュームに変更した経緯があります。
実際に見てみると、延長シャフトとボリュームシャフトを繋いでいる部分で空回りが起きています。確か、このNobuleのボリュームはシャフトが短く、延長シャフトとの取り付けはギリギリで、のりしろがなかった記憶があります。それでも、交換時は問題がなかったのですが、使用するうちに留めネジがずれてしまったようです。
![イメージ 4](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/musicinforest/20010101/20010101000230.jpg)
さてどうしたものか?ネジを留め直せば済む問題でもありますが、ボリュームは常時使用する部分ですし、抜本的な対策を施さないと、この先、同じ問題で友人を悩ませることになります。元々、多少なりとも無理があった部分ですので、この際、延長シャフトごと作り直すことにします。
まずは、一番の問題点、Nobleボリュームの短いシャフトを何とかしなければいけません。そこで、シャフトを繋いで長くすることにしました。
まずベークライトで、継足し部分を削り出します。
![イメージ 1](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/musicinforest/20010101/20010101000200.jpg)
ボリュームシャフトに、出来上がった継足し部分を繋いだところです。
![イメージ 2](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/m/musicinforest/20010101/20010101000210.jpg)
次は、バランスボリュームの接触不良ですが、こちらは556を吹きつけ、数回ぐるぐる回してやり、治まりました。ただちょっと延長シャフトがセンターからずれて、つまみを回すとバランスボリューム自体に負荷がかかっているようでしたので、取付け部分の再調整をしました。
また、延長シャフトですが、同じ材質(ココボロ)で制作しようと考えましたが、材料が手に入りませんでしたので、今回は樹脂製にしました。樹脂製ならある程度柔軟性もあるので、ボリューム自体に負荷を掛けることも少ないでしょう。
無事、補修が終わりましたが、後は友人が気に入ってくれるかどうかです。