エレクトロアート製DSD原理基板を味わいつくす。 その2

はんだシュッ太郎を待つこと5日あまり。(在庫がなかったのかな?ネットで購入した割に遅い)早速、抵抗の取り外しに使ってみました。確かに、これは便利。両面スルーホールでも、上手く吸い取ってくれます。(パターンの大きなところは、さすがに30Wの威力では荷が重いですが)取り残した半田は、編組線で吸い取ってやれば綺麗になりますし、作業性は格段に良くなりました。
 

道具も揃いましたので、テストを始めす。現状は、全て1/4Wのカーボン抵抗が取り付けてあります。この状態を基準にして、出力のラインに入っている220Ωの抵抗を変更して、それぞれの抵抗の個性を把握してみます。
 
まず現状、全て1/4Wカーボン抵抗ですが、嫌味な音を出すこともなく、どこか懐かしい音を奏でています。ただ、ちょっと中低域の情報が乏しく、空間を広く表現することはありません。
 
次に、220ΩをタクマンREYの1/4W金属皮膜タイプに変更してみます。(とりあえずエージングには一日を費やし翌日に試聴。ソフトはクラシックが8割、ジャズが2割です)なかなか落ちつていて、ゆとりのある音を聴かせてくれます。カーボンと比べ空間も広く表現してくれます。ただ、ちょっと響きが途中で止まってしまうような違和感があります。昔、金被と言うと、冷たく硬い音がしたものですが、オーディオ用と言うことでしょうか?そんな傾向はみられません。まずまずの結果です。
 
次は、ニッコームの1/4W金属皮膜タイプ?。(同じ条件で試聴)こちらは、打って変わって中高域の抜けに特徴がある音になりました。ピアノソナタやヴァイオリンソナタなどを気持ちよく奏でます。ボーカルなども上手く表現してくれます。ただ、中低音は情報がすくなくその辺はカーボン抵抗と変わらず、コンチェルトなどを聴くとバックのオーケストラが小さく引っこんでしまいます。この抵抗は音楽のターゲットを絞って使うのがよさそうです。でも何とかこの中高域を生かしたいところです。
 
次は、利久の1/4W金属皮膜タイプで、100本300円の物です。こちらは、無難になかなかバランスの良い音を聴かせてくれます。カーボン抵抗よりは良いかな?一本の価格は3円と安いのですが、購入は100本単位なので、よほど沢山の抵抗を使う場合でない限り割高になってしまい、あえてこの抵抗にすることもないように感じます。
 
次は同じく利久の超精密級1/4W金属皮膜抵抗です。最初に音が出た瞬間に、昔々、ワディアのDACが世に出た時の事を思い出しました。高域が細かくて情報量が多い音です。空間はとても広く、今回の中で一番広く感じます。ただ、反対に音と音の間が空いてしまってどことなく寂しくもあります。また、ボーカルなどは前に出るより奥に引く感じで存在感が薄くなります。HiFi調で美しい音です。
 
最後は、1W金属皮膜抵抗ソリストです。これは、もう一台の原理基板に使用して大変良かった抵抗です。前の利久(超精密級)ほどではありませんが、空間表現は広く低域の情報も豊かです。高域も利久ほどの繊細さはありませんが、十分細部まで表現します。全体に大きな癖もなくバランスも良く安心できます。欠点は1Wなのでサイズが大きくリード線も太いということでしょうか。(交換時にちょっと大変です)
 
これで、それぞれの大体の特徴は掴めましたので、次は、ライン以外の部分に入れて見たらどうなるか? 別の抵抗同士を組み合わせて長所だけを合わせた、そんな都合のよい音は可能か?ちょっと大変ですが、一つ一つ交換して聴くしかありません。